人生で何度、ポテチの袋を開けて「少な!」と思っただろうか。
数えたことはないが、おそらく数百回は下らない。毎回思う。毎回がっかりする。そして毎回食べる。食べきる。満足する。そしてまた次に開けるときに「少な!」と思う。
この無限ループが何十年も続いている。「ポテチの袋の中身が少ない問題」は、解決されないまま人類の歴史とともに歩んできた。
そして編集部は、今年の夏、ついに決断した。
「許す」と。
なぜ許すことにしたのか。その経緯と、許すまでの長い道のりを振り返る。
🥔 人類が「少な!」と思い続けてきた5段階
ポテチを開けた瞬間から許すまでの感情の推移は、だいたい以下のフェーズをたどる。
袋を開けた瞬間。反射的に出る言葉。「少な!」。思考より先に口から出る。これはもはや条件反射だ。パブロフのポテチだ。
「少な!」と言いつつも「まあ、窒素入れてポテチを守ってるんだよな」という理性が出てくる。知識がある分だけ怒れない自分に気づく。ちょっと悔しい。
理性で納得しようとするが、感情が追いつかない。「わかってるけどさ」という気持ちが残る。ポテチを食べながらモヤモヤしている。
食べ始めると怒りが薄れる。ポテチはおいしい。文句を言いながら食べている時間がもったいなく感じてくる。モヤモヤより食欲が勝つ。
袋の底が見える。「少ないな」と思っていたのに気づいたら全部食べていた。「もう少しあればよかった」という後悔と、「おいしかった」という満足が同時に来る。そして次回また「少な!」と言う。
🔬 窒素充填、わかってる。でも……
ポテチの袋の中に充填されているのは窒素ガス。空気ではなく窒素を使う理由は、酸素が入るとポテチが酸化して風味が落ちるから。窒素は不活性ガスで、ポテチを酸化から守る。また、袋をパンパンに膨らませることでポテチが袋の中で割れにくくなるクッション効果もある。
つまり、あの「空気」はポテチを守るための真剣な設計だ。メーカーが「ごまかすために多めに見せてる」わけでは断じてない。むしろポテチへの愛護精神の表れだとも言える。
…ということを知っていても、開けた瞬間「少な!」と思うのは止められない。
🕊️ それでも「許した」理由
では、なぜ編集部は「許す」という結論に至ったのか。理由は3つある。
窒素よ、ポテチを守ってくれてありがとう。空気よ、クッションになってくれてありがとう。袋よ、ちゃんとパンパンに膨れていてくれてありがとう。
「少な!」と言い続けた30年間を、ここで終わりにする。
……でも次に袋を開けたときに「少な!」と言っても、それは許してほしい。条件反射なので。
🥔 ところで、ポテチって何枚入ってるの
許した勢いで調べてみた。一般的なポテチ(60g前後)の枚数は、メーカーや商品によって異なるがだいたい40〜60枚前後が多い。厚切り系やリング系はもう少し少ない。うすしお系の薄いタイプは多めになる傾向がある。
40枚と聞くと「少ない」と感じるか「そんなに入ってたの」と感じるかは人によると思う。ちなみに1枚あたり約1〜1.5gなので、60gの袋に60枚入っていたら1枚1gの計算だ。ポテチ1枚は1g。これを多いと見るか少ないと見るかで、人の性格がわかる気がする。
「少な!」
その言葉は、これからも出続けるだろう。
止められない。条件反射だから。
でも食べ終わったあとに
「おいしかった」と思える限り、
ポテチは正しい。
袋の中の空気は、今日も
ポテチを守っている。
それでいい。





